安価なATA HDDを使ったRAIDなNASの中で良さそうな選択肢

Unrecoverable Read Error Rate(修復不能リードエラー発生率)
  ATA   1014ビット(1万GB)のアクセスに付き1回
  SCSI  1015ビット(10万GB)のアクセスに付き1回

以前から、SCSIATAの信頼性の違いについては知っていたけど、勉強不足で数値としては知らなかった。この記事にはこんなことがつらつらと書いてあって、「ほぉ、ATASCSIはここまで差があるものだったのか」と今更ながら認識してしまった。


信頼性が必要ならSCSIのディスクを使え!

ってことで、一件落着にしたいところですけど、世の中そうもいかない。「信頼性も欲しいが、コストは掛けられないぞ」と言う人ばっかり。


先の記事の最後にも「安いATA HDDを使ったRAID NASを有効に使う・・・」というために、以下のような購入に当たって確認/考慮しておく事が挙げられています。

  • エア・フローが充分に考慮されているか(国産のファンがいいそうです)
  • HDDの表面温度が確認出来る構造か(S.M.A.R.T対応してればいいかな)
  • オート・リビルドが切れるか否か
  • ホット・スワップが可能なものを選ぶ(電源オンオフのストレスは大きいそうです。)
  • 同じ機種を2台同時に購入し、1台をバックアップとして稼働させる(同じの2つは何でも役立つ理論)
  • 全HDDを新品に入れ替え、初期化が出来るか否か
  • 出来れば1セット分の予備HDDを同時に購入する

この辺りを考慮すればいいそうです。
私も、ホット・スワップの必要性には大いに賛成する。SCSIでの体験談ですが、数年動かしっぱなしだったマシンをシャットダウンして、次に電源を付けたらもうハードディスクが動かなかったということがあった。これまでは勢いで回っていて、一度落としてしまえば次に立ち上がる気力はもうなかったっていうことなんだろう。

安価なATA HDDを使ったRAIDNAS候補

そんなわけで、安いATA HDDを使ったRAIDNASは必要とすることはしばしばあるので、上記の条件を満たせそうなものを探してみた。
基本的な要件としては、1000BASE-Tに対応していてSATAでホット・スワップに対応してRAID5が組める据え置き型NAS(?ラックマウントじゃないっていうこと)だということ。
あとは、要件にあるような全HDDを新品に入れ替えられたり、エア・フローが考慮されていて、HDDの表面温度が確認できる(S.M.A.R.T対応してればいいのかな)とか。

買ってきてすぐに使えるというのが完成品の魅力でしょうか。入れ替え用のハードディスクも別売りであります。カートリッジ式なので扱いも楽そう。ファン回転速度センサーとシステム温度センサーも装備されているので、エア・フローや温度管理もしっかりしてそうです。

キットでHDD別売りはメンテナンスが面倒そうな気もするけど、違うロットのハードディスクを組み合わせていれるとかすると、障害発生の時期をずらす効果も期待できるんじゃないでしょうか。(動作可能なら同じスペックで違うメーカーとかでもいいのかな?)また、壊れてもその辺ですぐに部品が手に入るとか、安価な中でもさらに安価なハードディスクが買えるとか、そっちのメリットもあるかな。
付加的な機能や管理ツールなんかは完成品のものとほぼ同等ぐらいです。値段はHDD別売りなので、一見キットの方が安く見えますけど、「HDS725050KLA360 (500G SATAII 7200) の最安価格24,197円〜 【価格.com】」とかなので、4本買うと10万円ぐらいは掛かるから合わせるとそんなに変わらない。


他にも家電量販店などでよく見かけるこの辺りは、RAID5対応だけどホット・スワップに対応していないので除外です。


バックアップは同じ機種じゃなくても、外付けUSBハードディスクとかに蓄えることもできる機種がほとんどなので、それを活用しても良いかも。もちろん、予算があるならもう1台ってのがNAS本体などの障害発生時にすぐに入れ替えられていいですね。


あと、この辺りの安価な製品は、だいたいFAT32だったりして、NTFSには対応していません。なので、ファイルサイズ4GBの制限とか、パーミッションの問題(ActiveDirectoryに対応しているものは多いので、別形態の管理だけど同期をとるとかはできるのもあるみたい)とか、FAT・NTFSで書き込む際の時間のずれとか、その辺りは注意しましょう。


ピックアップしたものは割と新しい製品が多いので、9月中旬とか下旬発売みたいです。