アプリ開発でもアメーバ経営の「時間当たり採算表」を作るべき

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

京セラの稲盛和夫氏が説く、「アメーバ経営」という経営管理手法の指南書です。会社を事業として成り立つ単位でできるだけ細分化して、その単位で会計を行う。アメーバ毎に経営させることで、社員一人一人が経営に携わっている意識を持つことでよい循環を生むという手法です。
自分自身が初めて経営に携わって収益を見るようになったとき、すごく考え方が変わったので、働く人は誰しもが経営に携わり売上と経費を意識するというのには大賛成です。


細かい話は他の書評にでも譲るとして、興味を持ったのは次の2つ。
「時間当たり採算表」という仕組み。名前の通りですが、時間単位で売上を見る表と、経費を見るという表を用意するということ。
「営業と製造がともに発展するもの」という考え方アメーバ経営によって、営業と製造を分けて独立採算にするが、ひとつの会社なのでお互いが成り立っていくよう運命共同体として発展していくということ。たとえば、営業は売上を上げるには安く受注することでその確率は上がるけど、製造側が原価を下げなければいけないというしわ寄せがくる。それを無くすための方法。


私のいるアプリ開発(パッケージやASPもSIも)するような業界なら、製造はおおざっぱにいうと、設計や実装、テストなどの開発ということですか。営業の一声で、締め切りと受注価格が決まり、製造側が割を食って終電・徹夜万歳みたいなことが多い。開発の時に「時給に直すとやってらんないよねぇ」とか「営業は取ってきたら、後は知らん顔かよ」みたいな話をたまにしていた記憶もある。
時給を想像していても仕方がないので、目に見える形にして、実感や改善のアイデアが生まれてくることを目的として「時間当たり採算表」を作ってみるとよさそう。本書を参考にすれば、さくっと作れる。
ウチの会社でもやってみることにする。そして、「営業と製造がともに発展するもの」という考え方を取り入れることを検討してみる。


と、ここまで書いて思い出したけど、株式会社バリュープレスの社長(自称社内システムマニアらしいです。w)がこれを自動的にやる社内システム作ってたなぁ。さすが。