レイクサイド 新装版

レイクサイド

東野圭吾実業之日本社、998円

「あたしが殺したのよ」と言う愛人が殺された夫の妻の犯行告白からこのドラマは始まっている。1月22日に公開予定の映画「レイクサイド マーダーケース」の原作でもある。ちなみに主役は役所広司で、奥さん役が薬師丸ひろ子だ。

背景は受験戦争(いまどき言わない?)のさなか、勉強合宿ということで親と子供が参加する別荘地でのできごとである。劇中で子供たちはそれほど重要な位置を占めていないように書かれているが、背景にこういったテーマが選ばれているからには注意して読むとおもしろいだろう。最初読んだときには子供たちの描写を頭からすっとばしていたので、もう一度読み直す部分もあった。

東野圭吾ならではの愛憎劇を描いているなぁと思わせる一冊である。オススメ!

本書自体は新装版であるが、文字のサイズと行間が広いのであっという間に読んでしまった。短編集に収録できそうな感じでもある。