幸福になるために知っておきたい、不幸と幸福の13の原因

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

自分が幸せになるためには、不幸の原因と、幸福をもたらすものが何なのかということを知っておいた方がいい。日々、焦燥感や不満などと戦っている人は、この本を読むといいかもしれない。

本書は不幸の原因をはっきりさせるところから始まっている。その原因としては、競争や退屈、疲れやねたみ、罪の意識、被害妄想、世評に対するおびえなどがあげられている。そして、次に幸福をもたらすものが何なのかをあげていく。それは、熱意や愛情、家族や仕事、私心のない興味などである。(あれ?13個か?適当に数えた。)

読み進めていくに従って、自分が不幸だと感じる状況の切り分けができ、幸せと感じる源泉がどこにあるのかがわかってくる。だからなのか、読むと安心感が広がっていく。不幸だと感じたときに、開きたい本として手前の方の棚にしまっておくことにしよう。


この本では、もっとも幸せなのは、「科学者」だと言っている。その理由としては、《大部分、情緒的には単純で、仕事に深い満足をおぼえている》、《知性の高級な部分がことごとく仕事に吸収されている》、科学は科学者自身も一般人にも重要だと思われている。といったことが挙げられている。
たしかに、周りの科学者(研究者も含んでいいのかな?)の人たちは幸せそうに見える人が多い。しかし、今はポスドクの問題とかもあって、この本が書かれた1930年とは科学者の幸福の度合いも異なっていそうだ。
まぁ、そもそも、私自身は研究を仕事にするのには向いていないと思っているので、研究者になっても幸せな生活を送れそうにないんだけど。